万世の肉ビル
2024年3月31日、肉の万世 秋葉原本店が閉店しました。
中央通りにある他の2店に諸々移られたそうです。店名の由来が万世橋だとすると、ビルから撤退された今は……焼肉の万世が万世橋のすぐ隣のビルに入ってるので、万世のままで別に問題はないんですね。
秋葉原をよく周っていた身としてもこの閉店には思うところがあったので、色々書こうと思います。
コロナ禍で営業縮小する以前は、1階に排骨麺、2階にステーキハウス、3・4階に洋食(ハンバーグ等)、5階に焼肉、7階にすき焼き・しゃぶしゃぶ、10階に鉄板焼きと、そりゃ肉ビルと言われるわという感じのラインナップでした。 更に遡ると9階もすき焼き・しゃぶしゃぶで8階がパーティホールだったらしいですが、店舗案内に登場しない6階はTwitterの公式アカウントを見るに万かつサンドの製造工場だったらしいです(該当ツイート)。
家族で行ったり一人で行ったりとよく利用していましたが、当時の写真をあまり残していないんですよね……スマホで撮った写真はいくらか見つかったものの、画面いっぱいに肉を収めた写真ばかりで、景色やビル外観の写真がまあありません。食い意地張りまくった人間すぎる……。
上の写真は2018年頃に5階万世橋向きの席から撮った写真です。懐かしい。
わずかにですが後ろに写っているのは中央通りです。お察しの通り、肉ビル万世橋向きの席は中央通りの延長線上にあるので、秋葉原で一番大きな通りを一望できるという景観ポイントでした。5階だとこの景観ポイントの一部は1名or2名用のカウンター席として使われていて、万世によく行っていた人でも意外と座ったことがないかも? 私はよくここでドカ食いしていました。
そしてコロナ禍の初めの方だったと思いますが、7階より上の店舗の営業が休止されました。いつか営業再開するかなーと呑気に思っていたんですが、そのまま本店閉店となっちゃいましたね。 今のところ焼肉と洋食の2店は他の店舗に移って、ステーキは一部洋食に合流していたと思いますが、他の店舗は宙に浮いた状態ですかね。まあ排骨麺や鉄板焼はそれ用の設備が無いとキツいでしょうし、鍋物は洋食・焼肉を食いに来て敢えてそれを頼むかと言われると怪しい気もするので、他の店舗と一緒に出すのは難しいんだろうとは思います。
閉店前後のビルの様子
せっかくだし写真に残しておこう、ということで3月下旬に万世本店へ。
駅を出て中央通りから万世橋前の交差点へ。ちなみにこの写真には万世の店舗が2つ写っています。肉ビルは当然そうなんですが、手前の白いビルに焼肉の万世が入っているわけですね。先に触れた「万世橋すぐ隣のビル」というのがこれです。
ビルの外壁に閉店の挨拶が掲げられていました。縦読みすると……という近年よくあるやつですね。その隣には万かつサンドをぶーちゃんが掲げているコンビニの案内幕。金(ATM)と酒と肉……この世全ての強欲を詰め合わせたような組み合わせだ……と訳のわからんことを思いながら歩を進めると、よく見かけた排骨拉麺の看板が。麺がワッシャワッシャと上下に揺れる電動排骨拉麺。
さあどうしようかと悩んだんですが、この日は排骨拉麺の誘惑を振り切ってビル内へ。この時点で営業しているビル内の店舗は3/4階の洋食店のみ(5階の焼肉店は既に移転済み)。エレベータに乗って4階へ。
頼むのはもちろんジャンボハンバーグ(デブなので)。食後のソフトクリームも当然注文(デブなので(2))。万世で食べるソフトクリームはやたら美味いんですよね。牛乳の味がしっかりしていてその上で甘みも詰まってるからでしょうか。
普段から夜に利用するとちょいちょい順番待ちが発生していて、この日はそれに加えて営業終了も近いということで更に待ちがあったんですが、上で記した中央通りが一望できる席をツモったので外を眺めながら食べていました。何度か来ないとこの席に着くのは無理かなぁと思っていたので、一発で引けたのは大分ラッキーです。
とはいえ皆考えることは同じなのか、当面見ることが出来ないであろうこの景色を残そうと、自分の席の近くまで来て写真を撮っている人もいました。このビルは中央線快速の線路に接してもいるので、同じく当面撮れないであろうそちらを頑張って撮っている子もいましたね。
帰り際に撮った、万世橋の橋名板と肉ビル。ここから肉の万世がなくなるというのもなかなか喪失感があるなぁと思っていました。
そうして閉店を経て、その後どうなったのかを見るために改めて肉ビルに足を運んでみました。
左が閉店前、右が閉店後です。商品写真や装飾として使われていた提灯はすべて外されていました。
正面入口にはもーちゃんぶーちゃんのお別れの張り紙。まあ中央通りの中程に行けば普通に会えるんですがね。裏手に回って見ると冒頭に貼りました排骨拉麺の"万"の扉、そして大分年季が入った中央線乗客向けの案内が残されていました。そもそも8階のホールがビルのフロア案内から消えたのもコロナ禍より結構前の話だったと思うので、もしかするとこの案内は営業当初からずっとこのまま残されていたのかもしれません。
今はまだ万世の文字がビルの天辺に残されていますが、今後これも外されるんでしょうか。
というわけで万世本店ビルの閉店前後の様子でした。肉の万世は他のビルへ移り切ったわけですが、閉店の挨拶のところに戻ってきます等々書かれていたり報道でビルの老朽化も撤退の一因だと書かれていたりするのを見ると、実は一度ビルの建て直しが入る予定でそれが終わったら再度借りるという算段が既にあったりするのかなーなんて予想したくもなります。万世橋と神田川を挟んだ斜向かいでも再開発が進みそうな気配がありますし、そういうタイミングなんでしょうかね。
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